麻乃ヨルダの秘密基地

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【カイジ】王はなぜ王なのか~兵藤和尊という男【兵藤会長】

      2016/09/28



久しぶりにカイジのアニメを全部見ました。1期も2期も全部。いやー、何度見ても面白いね。結末が分かってるのに、カイジの一喜一憂でこっちも感情を揺さぶられてしまいます。福本作品は追い詰められた人間の心理描写が上手すぎる。ぐにゃ~。

一番の名シーンはやっぱりあれだね、地下での豪遊だね。僕お酒飲めないのに、あのビールは最高に美味しそうに見えるもん。焼き鳥もポテチも無性に食いたくなる。あんなに自分の中の欲求を刺激させられるアニメの一場面はなかなか無い。荻原聖人さんの演技が光りまくりです。

が、僕が今語りたいのはそこではありません。カイジを完璧に打ち負かした最強の敵、兵藤会長について語りたいのです。

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社会を牛耳る裏の王

金融業を中心とする巨大企業「帝愛グループ」の創設者。既に大金を手にしている億万長者だが、それに飽き足らず世界中の金を掻き集めて自身の王国を築こうとする強欲な老人。カイジシリーズは「帝愛に立ち向かうカイジの物語」なので、帝愛のトップである会長は紛うことなきラスボス。再戦がいつになるか分かったもんじゃないけど。

Eカードによって利根川を倒したカイジは、「利根川すらも会長の手先に過ぎない」と知り、会長に勝負を挑みます。挑んだギャンブルは自身が考案した「ティッシュくじ」。

ティッシュの中に1つだけ入っている当たりくじ引いた方が勝ちの、至極単純なゲーム。勿論、カイジは単に運否天賦の勝負をする人間ではないので、策を講じます。それは、箱の側面に当たりくじを忍ばせ、自分の番でそれを引くというもの。

ティッシュくじの提案、仕込みまで完了したカイジは、あとは勝負を始めるだけで勝てるはずだったのですが……

立場をひっくり返す交渉術

カイジ側の準備が完了したところで、会長は待ったをかけます。勝負をする前に、こちらから提示する条件を3つ飲めとカイジに語りかけます。この3つの条件によって、カイジは自ら用意したギャンブルの優位性を失ってしまいます。会長を自分の土俵に誘い込んだはずのカイジが、いつの間にか土俵際に追い詰められているのです。しかも、気づかぬうちに。

1つ目は「団子の禁止」。くじを丸めこんで小さくし、それを体のどこかに隠して、くじを引くタイミングですり替えるイカサマを防止するため、丸まったくじは無効にする。これが布石になるのですが、団子禁止に加えて腕捲りを義務付けることでイカサマ防止の色合いを濃くし、別の意図を気づかせずカイジを納得させます。

2つ目は「先行権の譲渡」。普通の勝負であればじゃんけんなどで公平に先行権を決めますが、それを抜きにして先行をくれないかと提案します。自分でも言っているとおり「虫のいい話」なのですが、カイジはこれを飲まざるを得ません。

そもそもこの勝負はカイジにとっては意味あるものでも、会長にとっては余興に過ぎず、会長側の都合で降りる降りないを決めればいいだけの戦いです。さらに、ティッシュくじの勝負について会長はカイジの要望を全面的に受け入れており、もしカイジが先行をとって初手で当たりを引いたとすれば、会長は自分で何もせず、カイジに言われるがまま財産を吐き出したことになります。

これではあまりにも理不尽で、正当な勝負が成立したとは言い難いため、カイジは会長が先行をとることを認めます。どの道、認めなければ会長は勝負を受けてくれませんから。

3つ目は「賭け金の増額」。Eカードで得た掛け金2000万を賭けるカイジですが、会長は「足りない」と言って掛け金を吊り上げます。会長が提示したのは「掛け金1億円」で、カイジは足りない分を「指一本2000万×4」で補えと言います。あまりにも恐ろしい法外な提案ですが、勝機があると確信しているカイジはこれを受けます。同時に、会長もカイジの思惑を確信したのでした。

3つの条件の意図

会長は3の条件によって強烈な揺さぶりをかけ、それでも勝負を挑んできたカイジは「何か仕掛けてきている」と確信していました。確実な勝算が無ければ張れない賭け、ましてやEカードを知略で潜り抜けたカイジなら、運任せに大きなギャンブルはしないと分かっていたからです。

その後、くじを二人で一緒に入れる際、当たりくじに折り目をつけ、先行権とあわせて勝つ準備が整った会長。ですが、カイジを弄ぶために一発で当たりくじを引くことはせず、カイジが用意した仕掛けを潰しにかかります。

まず、1の条件+当たりくじを一緒に入れたのを両者で確認したことで、くじをすり替える可能性を潰しました。残るイカサマの手段はティッシュくじの性質上、箱への仕掛けしか残っていないため、会長はくじを探すふりをして箱をチェックします。そして、側面に差し込まれていた怪しげなくじを発見した会長は、そのくじを「団子」にしました。

勝負は結局、仕掛けを封じられてパニックに陥ったカイジが会長の策に気付くことなく敗北しますが、仮にカイジが団子にされたくじの存在に気付いても、1の条件によって当たりくじは無効。会長は交渉によって自らの勝利を盤石にしただけでなく、反撃の芽も消していました。条件を飲んだ時点で、カイジの敗北は決まっていたようなものでした。

盤石な勝ち筋を用意しておきながら、絶望して悪あがきをするカイジを見て楽しむために、意図して勝利の可能性を緩ませた会長。余裕の勝利でした。

勝つべくして勝つ

会長はカイジとの勝負の際に「運」という言葉を連呼していましたが、その実、会長が勝利したのは「実力」だったことに、カイジは勝負が終わった後で気づきます。

相手から挑まれた戦いでありながら、勝負の性質を瞬時に見極めて自分に有利な状況を作り出す。洞察力、交渉術、どれをとっても勝つべくして勝ち、なるべくして王になった貫禄。この大物っぷりが良いんですよね、兵藤会長は(やってることはどうしようもないゲスなんだけど)。そして、強者が強者でいられる理由を分かりやすく示してくれているティッシュくじの話は、カイジのストーリーの中でもかなり好き。

多分、会長は運などの「曖昧なもの」を一切信用していないんでしょう。過去に金貸しで裏切られた経験が何度もあるようですし、実力で勝利を得られなかった部下は即刻制裁。力だけが真実で、力を持つ者だけが信用に足る。明確な哲学です。

兵藤会長が示す帝王としての在り方。どうしようもない極悪人だけど、とてつもないカリスマなのもまた事実だなぁ。何か彼から学べるところはあるかな?学んだことろで真似できるもんでもないか……


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