麻乃ヨルダの秘密基地

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映画の紹介と解説「リベリオン(Equilibrium)」

      2016/09/28



クリスチャン・ベール繋がりで、今回はリベリオンです。

例によって、前半は見てない人向けの紹介、後半は見た人向けの解説をしていきます。当たり前だけど、後半はネタバレ。

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あらすじ

第三次世界大戦の起きてしまった世界。そこで誕生した都市国家リブリアは次の戦争を未然に防ぐため、人間の「感情」を規制した社会を作り上げた。音楽や絵画などの娯楽文化を「EC-10(感情的コンテンツ)」として禁止し、人々に政府機関イクイリブリウムが作った感情抑制薬「プロジアム」を服用させることで、政府は争いの火種である人間の感情をコントロールしたのだった。

しかし、法に背き感情を有する違反者が少なからず存在しており、それらの違反者は特殊な訓練を受けた「グラマトン・クラリック」によって摘発されることになる。主人公ジョン・プレストンもクラリックの一員であり、違反者を容赦なく処刑する実力者として評価されていた。

ある日、プレストンは感情に目覚めてしまった相棒パートリッジを手にかけるが、死ぬ間際に彼が詠んだ詩を忘れることが出来ず、プロジアムの服用を怠ったこともあり感情を目覚めさせていく。感情を取り戻したプレストンは社会の在り方に疑念を抱き、やがて政府と対立していく。

紹介

低予算で粗が多い、今となってはありがちなSFストーリー(所謂ディストピア系)など、様々な理由から世間では「B級映画」の評価を受けているらしい今作。そんなことないよ!と言いたいところだけど、確かにツッコミどころが多々あって完成度は高くないのは事実。まぁ、B級ということにしておけば、あれっ?と思うシーンでも「こまけぇことはいいんだよ」と笑ってごまかせるので、やっぱりB級映画ってことにしておこう(いいのかそれで)。

ストーリーや設定は面白いけど、確かにありがちと言えばありがち。しかし、この映画はある一点において他の映画を遥かに凌駕することで、唯一無二の評価を得ている作品なのである。それが「ガン=カタ」だ。

ガン=カタとは、クラリックたちが用いる銃火器と武術を混ぜ合わせた戦闘術。敵陣の中央に入り込み敵を効果的に殲滅するための技で、劇中では「相手の死角に入り込んで攻撃をかわす」「中央に陣取ることで同士討ちを狙える」とか色々説明されているけど、要は「ガンアクションの映像美を追求したらこうなったぜ!」という魅せプレイの極地である。これがもうとにかくカッコよくて、細かい理屈なんてどうでもいいという気分にさせられる。このアクションが様々な作品に影響を及ぼしたと言われているけど、それも頷ける美しさなのだ。

まぁ、だからって他の部分に見どころが無いわけじゃない。感情を失っていたはずのプレストンが心を取り戻していく様は、ベタだけどやっぱり感動しちゃう。なにはともあれ笑って楽しめる、至高のB級映画だ。

制作

カート・ウィマー(監督・脚本)
ヤン・デ・ボン(制作)
クリスチャン・ベール/ジョン・プレストン(主演)
メアリー・オブライエン/エミリー・ワトソン
アンドリュー・ブラント/テイ・ディグス
デュポン/アンガス・マクファーデン
エロール・パートリッジ/ショーン・ビーン
ユルゲン/ウィリアム・フィクナー
ファーザー/ショーン・パートウィー

解説

まぁ、解説も何も「いいから感じろ」ってタイプの映画ですが、一応ストーリーや設定をまとめておきましょう。専門用語がいっぱい出てきて、ごちゃごちゃするのも事実ですし。

世界観は上でも書いた通りディストピア系で、第三次世界対戦が起きてしまった架空の未来になります。設定が未来の割には、使われている車両や道具が古臭かったりするのは低予算映画の宿命なので触れないで(映画の公開は2002年で、そのことを踏まえてもちょっぴり古臭い)。

プレストンたちが住む都市国家リブリアは、テトラグラマトン党の党首ファーザーによって統治されています。ファーザーは人類の起こす戦争について「人間の感情こそが争いの根源」と考え、人々に一切の娯楽の禁止と感情抑制薬プロジアムの投与を義務付けました。

普通に考えると、これらの政策を打ち出した段階で暴動が起きそうなレベルの話(僕のようなオタクどもは生きていけないぞ!)ですが、民衆にとって第三次世界大戦のダメージは相当だったのでしょう。それか、大戦からの復興にファーザーがよっぽどの貢献をしていて、人々が認めざるを得なかったのか。まぁ、感情を規制したら争いが無くなるかっていうのは微妙なとこだと思いますが。ともかく、「次に戦争が起きたら人類は滅亡するだろう」ということで、みんな必死です。

細かい話ですが、冒頭でファーザーがこれらのことを話すシーンで、聴衆の中にユルゲンが居るのがいいですね。2週目以降の人ははちょっとニヤリとできるシーン。

感情を抑制したことで争いの無い社会ができましたが、ファーザーのやり方についていけない人々も多く、EC-10を守る・プロジアムの投与を拒否する反政府勢力が抵抗を続けています。彼らを武力で鎮圧するために誕生したのがグラマトン・クラリック。ガン=カタを駆使して違反者たちを次々と摘発しているようです。

そんなクラリックの中でもエリートの「第一級クラリック」として活躍しているジョン・プレストン。圧倒的な戦闘能力で違反者を次々と処刑し、政府も一目置く男です。

そのプレストンと行動を共にするパートリッジですが、EC-10であるイエーツの詩集を証拠品として提出していなかったことで、違反者として疑いをかけられます。彼がネーダー(第三次大戦の戦火が残り、復興が済んでいない廃墟のこと)に毎晩、捜査という名目で立ち入っていると聞いたプレストンは、捜索隊を率いてネーダーを捜索。教会で詩集を読んでいるパートリッジを見つけ出します。

戻るつもりはないというパートリッジは、プレストンに詩の一説と今の社会の異常さを語り、処刑を受け入れます。相棒を自らの手で葬り、どこか引っかかるものがあるプレストン。夢の中で妻のことを思い出し、少なからず動揺が見られます。

また、朝の分のプロジアムを誤って割ってしまいます。本来であればイクイリブリウムで追加のプロジアムを貰ってこなければいけないのですが、あえてプロジアムを貰わずに任務へ赴くプレストン。

プロジアムを投与していない影響か、違反者であるメアリーの家を捜索する最中、普段では取らないような行動を見せるプレストン。新たな相棒であるブラントも、プレストンの行動を不審に思っている様子。

メアリーが隠していた品々を見て「共謀者が居る」と踏んだプレストンは、メアリーに尋問をします。しかし、薬を撃っていない影響からか、逆に心を揺さぶられてしまいます。メアリーがパートリッジと同じ「意味が分かっていないようね」というセリフを呟いたのもポイント。

感情の振れが抑えきれなくなっていくプレストン。日の出を見て、燃えるような感動を味わいます。ここからのプレストンが感情を蘇えらせていく描写が実に良い。手袋を外して、素手で物の感触を確かめたり、自分の机の物を子供のように弄ってみたり……今まで他人の命を奪ってもなんとも思っていなかったはずなのに、手袋に付いた血を見て動揺したり。そして、ベートーベンの曲を聴いて、あまりの美しさに涙を流すシーンも非常にアツい。たとえベタであってもこの演出はたまらないなぁ。

捜査の後、残ったEC-10を収集班に渡さなかったことをブラントに聞かれるプレストン。パートリッジと同じことをしています。そして、犬たちが処分される光景に耐え切れず、子犬を連れ帰ってしまいます。怪しすぎるぞプレストン。でも、感情が蘇ったら確かにこうなるだろうなぁ。

デュポンと画面上で対談した後、メアリーから押収した品々を手に取り何かを感じるプレストン。リボンの匂いを嗅ぐシーンは、真面目なんだけどちょっと変態チックで笑える。匂いは感情の発露に大事なんだろうけど、大の男が女性のリボンを嗅いでウットリするシーンは変態度がかなり高い。リベリオンの世界じゃなくても、こんな光景を見られたら通報もんだぞ。

その日の夜、プレストンは捜査の一環としてネーダーに潜り込みます。言ってることとやってることがどんどんパートリッジと似てきました。目的は子犬を逃がすことでしたが、情が移って子犬と戯れている間に、捜索隊がやってきてしまいます。怪しげに微笑んでいたブラントがけしかけたのでしょう。

なんとか捜索隊を言いくるめようとしたプレストンですが、途中で子犬が鳴いてしまうありがちなパターンでピンチに陥ります。なんとなく予想はできてた。仕方ないと、プレストンは実力行使で捜索隊を全滅させます。

家に帰ったプレストンは、洗面台で考え事。そして、鑑を取り外して、その奥にプロジアムを隠すことを思いつきます。なんだか、エ○本を隠す中学生のような光景だ。

次の日の朝、稽古場で一人稽古に勤しむプレストンの元にブラントがやってきて、勝負を挑んできます。ブラントは、昨日のネーダーで捜索隊が多数死亡していたのを、プレストンの仕業だろうと言い、揺さぶりをかけてきます。そして、捜索隊がやられたことを口実に、ファーザーはネーダーでの捜索を一層強化するだろうと。昨日の件でプレストンが始末されようが、プレストンが生き残ろうが、ブラントの思惑通りだったということですね。知恵比べでは負けっぱなしのプレストン。

ネーダー7での一斉摘発の際、思わず反乱軍を庇ってしまうプレストン。彼らを逃がそうとしますが、それを読んでいたブラントは反乱軍を罠に嵌め、一網打尽にします。ブラントから処刑を勧められるプレストンですが、ブラントに任せてその場を立ち去ります。

パートリッジが火葬される日、彼の遺品を手に入れるプレストン。その中に、パートリッジとメアリーが繋がっている証拠を見つけます。そして、裏面に書かれていた「FREEDOM」の文字を見て、自由図書館に足を運びます。

プレストンは図書館の裏に隠されていた反乱軍のアジトを見つけ、彼らのボスであるユルゲンに勧誘されます。そして、いつもリボンの匂いを嗅いでいることもバラされます。これは恥ずかしい。このまま政府の駒として働くか、反乱軍の仲間になるか、迷うことに。そんな彼のところにクラリックたちがやってきて、デュポンの元へ連行されることに。

追及を逃れようとするプレストンに対し、「私をからかう気か!」と激昂するデュポン。はい、最初にこの映画を見た僕が「あれっ!?」と思ったポイントです。超怒ってんじゃんデュポン。超感情剥き出しじゃん。ファーザーが言ってた「怒り」そのものじゃん。お前絶対プロジアム打ってないだろ。疑いと怒りの演出としては分かるけど、この映画の設定を考えると、世界観を揺るがす大問題なシーンである。まぁ、デュポンより違反者っぽいヤツもいますけど。

ユルゲンの元で作戦会議に参加するプレストン。彼らはプロジアムの工場を攻撃することで薬の供給を断ち、人々の心を蘇らせようとしているようです。そうなれば社会の機能はストップし、体制は変わるだろうと。プレストンは彼らの言葉を聞き入れ、作戦に参加することに。

そして、ついに来たメアリー処刑の日。妻の処刑当日の映像を見て居ても立っても居られなくなったプレストンでしたが、時すでに遅し。メアリーを助けることはできず、彼女が燃える様を見届けるしかありませんでした。

目の前で火に焼かれるメアリーを見たプレストンは涙を流し倒れ込みます。それを見たブラントは待ってましたと言わんばかりに、プレストンをデュポンの元へ連れていきます。しかし、自らの策略で逆にプレストンはブラントを嵌めます。この時の二度見芸や、怒りの叫びなど、お前も絶対プロジアム打ってないだろと思わせるブラント。思えば、出世欲があったり、しょっちゅう満面の笑みを見せていたり、あいつが一番胡散臭い男であった。デュポンとブラントのせいで世界観がぶち壊しである。

家宅捜索の際、家の前まで急いでダッシュしたと思ったら、玄関の前で髪型を整えてみたり、鏡の裏のプロジアムがなくなっていて動揺したり、こっちはこっちでうっかりさんなプレストン。薬は優秀な息子が隠していたのであった。冒頭でもクラリックと共に仕事をしているようなシーンもあったし、パパより息子の方がしっかりしてそうである。ママ似なのかな?

家宅捜索を逃れたプレストンは反乱軍を摘発し、その貢献によってファーザーとの謁見が許されることに。作戦通り、ファーザーの元に潜り込めたかと思ったプレストンだったが、これは罠だったと気付かされる。ファーザーは既に死亡しており、デュポンが実質的な最高指導者だったことも知ったプレストンは、感情を爆発させ最後の戦いへ。プレストンに笑顔でウインクしてみせるブラントは、もはや設定を忘れてしまったのか?ただの面白黒人キャラになってるぞ。

全ての力を解き放ったプレストンはこれまで以上の無双を見せる。中盤あたりでは良い勝負をしていたはずのブラントすらも、今のプレストンにとっては相手にならない。そして、イエーツの詩からセリフを引用したと思われるデュポン(もうツッコむのもめんどくさい)も1対1の勝負で制し、全ての因縁に決着をつける。途中で見覚えのない首の傷がついているが、まぁ些細な話だ。

一度は失敗かと思われた作戦が無事実行され、ニヤリと笑うプレストンを映してストーリーは終了。中盤以降はノリと勢いで突っ走っていった感は否めないですが、その勢いで盛り上げきってしまうパワーを持っている作品なのも事実。割と盛り上がりそうだし、金曜ロードショーとかでやってくれないかな?ガン=カタ旋風、もう一度巻き起これ~。

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