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映画

【ネタバレ無し】ダンケルクを観た

投稿日:

ダンケルクを観ました。前評判の高さで、面白さは保障されたもんだと思いながら観に行きましたが、それでもすごかったよダンケルク。そう、すごかった。そのすごさを書き殴っていきます。

あ、ネタバレは無しです。見ていない人向けに書きますので。

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下準備

はじめに言っておきます。僕はおバカです。教養がありません。第二次世界大戦のことも詳しく知りません。なんとなく顛末を知っているだけです。なんでそんなことを言うのかというと、この映画を楽しむのに知識の武装は必要ないということです。無論、知識があればより面白いことは間違いないでしょう。

ただ、完全に丸腰ではさすがにマズいと思ったので、僕も最低限の知識は頭に入れておきました。皆さんもこれくらいの知識があればダンケルクを楽しめるはずです。作中でも少しは注釈が入りますけどね。

世界観。第二次大戦中、ドイツ軍と戦うイギリス軍とフランス軍の連合軍は、フランスの港町ダンケルクに追い込まれていました。その数、40万人。陸での戦いに敗れた連合軍には、海(ドーバー海峡)から逃げるしか手がありません。しかし、空からはドイツ空軍の爆撃。爆撃機の恐怖に曝されながら必死で逃げ延びようとする兵士たち。彼らは無事にイギリスへ撤退することができるのか、という話です。

まぁ史実を基にした作品なので、その結果は分かっていますが(笑)。なので、注目点は「主人公は生き延びれるのか」というところですね。全ての人がダンケルクの撤退作戦で生き延びたわけではないので。

3つの目

もうひとつ頭に入れておいてほしいのは、この映画は異なる3つの視点が1つの物語を紡いでいることです。

一つ目、ダンケルクから逃げようとしている兵士トミー。この作品の主人公的存在で、彼の視点を中心にダンケルクでの戦いが描かれていきます。

二つ目、自身の船でダンケルクの兵士たちを救いに行くドーソンとその息子ピーター。ダンケルクでの撤退戦が終われば、次はイギリスの地が戦地になると踏んでいたイギリス軍は、戦力である海軍の船を出すことを渋ります。そこで白羽の矢が立ったのは民間の船。民間人たちに自分の船を出させて、兵士たちを迎えに行くよう命じたのです。

三つ目、ドイツの爆撃機を退けるために出撃したイギリス空軍のファリアとコリンズ。空からの攻撃に無防備な船たちを守るため、彼らの活躍が撤退作戦の成否を握る鍵となります。

そして、この3つの視点は同じ時間軸で動いていないことが重要になります。一つ目の視点(防波堤)は1週間での出来事を描いており、二つ目(海)の視点は1日での出来事を描いていて、三つ目(空)の視点は1時間での出来事を描いています。つまり、同時進行で話が進んでいるわけではありません。トミーの防波堤での物語がクライマックスに達したとき、ドーソンたちとファリアたちの時間が合流する、時間軸ではこういうことになります。ただ、映像はまるで同時進行のように描かれるので、時間軸を分かっていないと混乱するかも知れません。字幕で一瞬触れられはするんですけどね。

もし、ダンケルクと同じクリストファー・ノーラン監督の作品「インセプション」を見ているとイメージしやすいかもしれません。あの作品も、時間の流れが違いつつ最後にはそれぞれの物語が合流する形が取られていました。

では、これだけ分かっていれば後はダンケルクの世界に身を委ねるだけなので、後は僕の感想を書き残していきます。

どこに逃げるんだ?

劇中で登場する台詞、「どこに逃げるんだ?」は、この映画で常に意識させられる言葉です。この台詞は、「ここから逃げなければ」という台詞に対して使われるものですが、この映画の絶望的な状況を表すのに最適な言葉です。

なにせ、逃げても逃げても敵の攻撃に襲われるのです。安全な場所を見つけたぞと安堵したら、その数分後には命を脅かされているようなシーンが続き、「戦争で負けている側」がこんなにもか弱く、心細いものかと実感します。

ダンケルクが優れた映画な理由は、その没入感にあります。文字通り、自分が戦場にいるような感覚に陥るのです。敵の姿が見えないのに、銃弾は飛んでくる、魚雷も爆弾も飛んでくる。世間話をしている暇もなく、隣りにいる人間が誰で、どこから来て、どんな名前なのかもよく知らない。でも、「生き残りたい」という気持ちを共有していればそれでいいし、手を取り合うこともできる。この映画を見ていると、そんな兵士たちの一員になったかのように感じられます。

全員が「参加」している

この映画で登場するシーンは、全てが「現場」です。所謂お偉いさんたちが本国から司令を伝えるシーンとか、本土で兵士の帰りを待つ家族のシーンとか、そういったものが一切なく、全てのシーンが現場にいる人々の戦いを映し出しています。

戦火の真っ只中で、生にしがみつこうとするトミーたち。助けの手を差し伸べる立場でありながら、自らも命の危険と隣り合わせながらファリアやドーソンたち。また、彼らよりも立場が上の上官たちも、安全な場所などなく戦地に立ち続けています。

彼らは全員が当事者なのです。戦場にいて、ただ無事に帰りたい。目で見える先にあるのに、ドイツの攻撃によって遥か彼方に思える本国に帰りたい。誰もがその一心で戦い続ける姿に、僕らは感情移入し、彼らと同じように恐怖し疲弊していきます。

だからこそ、助けが来たときは安心感で胸が一杯になります。助かるかもしれないと思える喜びが溢れます。
月並みな言葉ですが、生きているということはそれだけで素晴らしいことです。傷つき、無様に逃げ帰ったとしても、ただ命があることが幸福なことです。それを本気で感じられるほどリアルな戦争体験ができる映画。それがダンケルクです。




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